01. 10月 2019
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従来の接触式熱溶着の場合、外部の層を介して、パーツの内部に熱を導く必要がありました。サポート層とシーリング層の溶融温度の差が小さいため、サポート層の熱的損傷を避けるため、モノマテリアル(単一素材)をシーリングする際は、熱封止ツールを低温に設定する必要があります。低温にすることでシーリング層の熱溶解が不十分となり、パッケージ内に漏れが発生するリスクが高くなります。超音波シーリング技術を使えば、こうしたサポート層への熱的損傷は、防ぐことができます。プラスチックを融解させる熱はシーリング層の中で発生し、超音波ツールは冷えているため、発生した熱を素早く逃がすことができるからです。
Valentin Buchty(ハーマン・ウルトラソニック、パッケージ材料のアプリケーション開発のチームマネージャー)のコメント:
「超音波技術はまた、特に気密性や外観に関して、狭い加工範囲でも優れた封止結果を得ることができます。熱膨張は最小限に抑えることができます。サーマルプロセス(熱加工)は、特にフィルムウェブの連続溶着では、過剰な熱の発生により不具合が生じます。フィルムウェブの伸びが制御できず、プロセスに失敗する可能性があります。」
モノマテリアル(単一素材)の場合、サポート層が機械的・熱的に安定していないため、フィルムの収縮が起こりやすくなります。従って、シーリングラインの外観が損なわれる可能性があります。また、アルミニウムを使用していないため、新しいフィルム素材の加工が難しくなっています。アルミニウム層があると、シーリングラインから離れて過剰な熱を素早く分散させるので、複合フィルムの機械的安定性が向上します。超音波溶着の技術的なアドバンテージにより、こうしたサーキュラーエコノミー(循環経済)の課題は解決できます。このメソッドは、アルミニウム含有の有無に関係なく、複合素材に最適です。単一素材の場合、粘着のリスクも増えます。超音波シーリングの場合、冷却ツールがあるのでこの問題を防ぐことができます。その結果、ダウンタイムが短縮され、高温用テフロンテープなどの消耗品の必要性が減ることになります。
特に、食品業界では持続可能性の目標を高く設定している企業が多く、ハーマン・ウルトラソニックの超音波ラボでは、リサイクル可能な新素材に関する問い合わせが増えています。この問題は、立法機関にまで及んでいます。たとえば、イギリスでは、異種材料の複合材が禁止されています。単一素材だけでなく、アルミで被膜していないダンボール積層板の超音波シーリングについてはすでに実績があり、PLAなどのバイオプラスチックでも優れた超音波シーリング特性を示しています。