16. 10月 2019
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現在のところ、リサイクル素材、つまり一度加工されたプラスチックを溶着したいという問い合わせはほとんどありません。溶着性は、テストラボで経験則で決定する必要があります。
有機物を原料としたバイオベースのプラスチック(バイオポリマー)がどのように発展していくのか、また、バイオポリマーをどのように溶着させるのか。今後のステップはより興味深いものになるでしょう。
当社の超音波ラボでは、100%再生可能で生分解性のある2種類のTecnaro社製テクニカルバイオポリマーの研究を行いました。
バイオポリマー
ARBOFORM®素材には、セルロースに次ぐ天然ポリマーであるリグニンが含まれています。リグニンは製紙工業の副産物で、世界で年間約5,000万トン生成されています。リグニンと天然繊維(亜麻、ヘンプなどの繊維植物)や天然添加剤を混ぜることで、加熱や加圧で加工できる繊維複合材料になり、プラスチック射出成形機で加工してパーツを形成することができます。
製法によって異なりますが、ARBOBLEND®素材は、ポリヒドロキシアルカノエート(PHA)、ポリカプロラクトン(PCL)、ポリエステル(Bio-PETなど)、デンプン、ポリ乳酸(PLA)、バイオポリオレフィン(Bio-PE)、バイオポリアミド(Bio-PA)、リグニン、天然樹脂、ワックス、オイル、天然脂肪酸、セルロース、生物学的添加物、天然強化繊維などのバイオポリマー(生体高分子)で構成されています。ARBOBLEND素材は、用途に応じて生分解性や耐性を持たせることができます。
どちらのプラスチックもPC-ABSの範囲内の強度で、比較に適しています。まず、パートナーであるBARLOG社が試験片を製作しました。これで、ハーマン・ウルトラソニックのラボで、均一な条件で、溶着性、引張性、耐圧性をテストすることができます。
テストの結果、リグニンベースのバイオプラスチックは超音波によって溶着可能で、原理的には同様のパラメーターで加工できることがわかりました。引張試験では、2つのバイオプラスチックは石油系プラスチックの引き剥がし力には及ばないものの、ARBOLENDは同等の値の範囲内、ARBOFORMは通常の強度要件内であることが明らかになりました。
結論:
ハイテクなバイオポリマーは生産現場では主流ではありませんが、当社は、接合のスペシャリストとして、今後の動向を調査・形成する場面ではプラスチック業界に貢献できるでしょう。