20. 4月 2020
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やわらかな手触りのエアスルーボンド加工(ATB)の素材が増えており、吸水分散層(ADL)、ウエストパネル、表面シートなど、主に衛生用品に使用されています。超音波溶着は、接着剤や熱による接合と比較すると、プロセスや環境面でのメリットが高いのが特長です。ハーマン・ウルトラソニックの不織布ラボでは、ATBを接合する際のアプリケーションソリューションにハイテクなサポートを提供しています。
使い捨て衛生用品の手触り、外観、音は、「やわらかさ」を求める消費者の認知に大きな影響を及ぼし、ATBの人気が高まりつつあります。このため、使い捨て衛生用品のメーカーは、やわらかさに影響を及ぼす要因や条件について、自社の製造プロセスを把握し、評価することが重要です。ATBは高価な素材であり、ATBを加工する際に出る廃材を最小限に抑えたいというのが製造メーカーの希望です。ATBのボンディングは、仕上がりにバラつきがある理由を突き止めるのが問題になっていました。
複合繊維を使用したATBの組成
ハーマン・ウルトラソニックのアプリケーション開発者は、走査型電子顕微鏡や示差走査熱量計などの多種多様な実験装置を使用して、代表的なATB組成を決定し、評価するためのポートフォリオを構成しました。このサービスを利用することで、メーカーはボンディングの課題や材料の無駄を予測して対応することができます。
複合繊維(Bi-Co)はATBの不可欠な要素です。1つのポリマーが2つ目のポリマーで被覆されている、いわゆるコアシース構成の複合繊維は、ATB不織布の結合繊維として頻繁に加工されていますが、見直しが必要かもしれません。複合繊維は、どちらか一方のポリマーだけでは得られない効果を発揮します。PEはやわらかく、PETは強度が増しますが、融点が高いという欠点があります。PLAは、天然由来の繊維が求められている場合などに使用されます。シース材料の融点はコア材料の融点よりも低く、その結果、交差部で芯材の繊維が接着します。ファイバーのシース率はメーカーによって異なる場合があり、示差走査熱量計はこれらの正確な材料比を決定するのに役立ちます。
超音波ラボにおけるボンディングスポットの顕微鏡写真による評価
走査型電子顕微鏡を用いて異なる積層材料の表面と断面を評価することで、まず繊維の品質、次に溶着の品質を評価することができます。ATBの材料には大きなばらつきがあります。繊維組成は材料の挙動に強い影響を与えるため、溶着前に評価を行うのが理想的です。最近は事前に溶着の性能をテストできるようになりました。