12. 10月 2021
, ニュース
エレクトロモビリティを広く普及させるには、内燃機関を搭載した車両と比較した場合のデメリットを補う必要があります。これまでは、短時間で済む燃料補給と比較すると、バッテリーの充電に時間がかかることが課題でした。充電の時間を短縮し、すみやかに走行再開するには、電気自動車のシステム電圧を上げる必要があります。そのためには、高電圧ケーブルとそれに合う出力レールが必要です。こうしたケーブルの効率的な溶着は、簡単なことではありません。大量の電力が必要なので、生産サイクルが長くなり、システムの冷却を行うため、超音波コンポーネンツの摩耗が早くなる恐れがあります。
強度の向上とサイクルタイムの短縮を実現
HiS VARIO W(Hermann intelligent Spotwesder Wire)は、ケーブル溶着用に設計されたハーマン・ウルトラソニックのメタル溶着機です。12,000W以上の出力と最大6,000Nの溶着圧力を備え、迅速かつ再現性の高い溶着プロセスの実現に十分な量のエネルギーを2つの接合パートナーに正確に導入します。
この装置の核となるのは、新しいUltrasonic Power Stack 12000+です。これにより、太い電源レールも断面積150mm²までのケーブルも、端子接点を使って、わずか数秒で安全に溶着することができます。これを可能にしたのは、新たに開発された特許取得済みの超音波振動子で、セラミックディスクが6枚から16枚に増えています。冷却時間が省けるので、連続生産に必要なスピードと堅牢性を確保します。
超音波溶着は、さまざまな種類の非鉄金属の永久的な接合に適しています。エネルギー効率が高く、時間を短縮するプロセスで、ハーマン・ウルトラソニックのVARIOコントローラーと接続することで高い精度を実現します。さらに、超音波溶着では、他のプロセスと比べて部品にかかる熱応力が非常に小さく、冷却時間も短縮されます。