15. 9月 2019
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超音波プロセスを使うことで、SAP粒子(高吸水性ポリマー)を含む紙おむつなどの多層吸収体を接着剤を使わず、ワンステップで溶着することができます。ハーマン・ウルトラソニックでは、ストレッチカフスの革新的なプロセスを開発しました。
脚の付け根にはモレを防ぐ糸ゴムを入れ、快適な履き心地を実現しています。糸ゴムを入れるプロセスは難易度が高く、ハーマン・ウルトラストレッチでは超音波接着ソリューションを導入しています。回転ホーンとコントロールされた発振器信号により、オムツの形状に関わらず、正確な位置に糸ゴムが取り付けられます。このプロセスでは、接着剤などの添加剤を使用しないため、糸の機能的特性を損なうことはありません。
この新しいプロセスを実現にしたのは、超音波連続加工ではなく、適切な位置で超音波を「トリガー」するULTRABOND超音波発振器のさらなる進化です。この発振器は、溶着ツールの動き(振幅)を素早く調整し、自由に断続的な溶着を構成することができます。糸は、溶着によって不織布の「トンネル」の中に閉じ込められ、定着します。これに、素材と溶着ツールの距離を監視するMICROGAPギャップコントロールを組み合わせることで、多次元的なプロセス監視を実現します。
アナログ信号で溶着箇所を自由に設定できるため、フォーマットに依存したツールが不要になり、フォーマットアンビルドラムも不要になりました。これで、セットアップ時間と生産コストを削減できました。アンビルドラムはさまざまなサイズの紙おむつに対応するため、メーカーにとっては利便性が高いのがポイントです。現在の超音波ラボにおける基礎研究の結果に基づいて、今後、このアプリケーションでは、アンビル刻印を推奨していきます。